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イギリスの偏見をちょっとお話しましょう イギリスのいがみ合いの歴史の話もちょっと

またUK-Japan 2008関連で、イギリスの話を。



大阪人はうるさい

沖縄人はおおらか

東京人はプライドが高い

日本は狭っこい島国ですが、よくもまあ、というほど各地域人、それも大して遠くもないところの人に偏見を持ってますよね。

実は、イギリスもです。
イギリスも狭っこい島国(日本よりも狭い)ですが、各地域同士で偏見を持ち、いがみ合っています。

イアン・サウスワースというイギリスの音楽評論家の『200CD ブリティッシュ・ロック』(中山義雄、訳)のコラムが、面白いので、ちょっとここに引用します。

コックニー(イーストエンド生まれの生粋のロンドンっ子):口の減らない上に安ピカで自慢屋。ロンドン以外はイングランドだと思ってない。

ジョーディ(ニューキャッスル人):オヤジギャグと痛飲と喧嘩が趣味。

スコットランド人:ケチなうえセコイ

アイルランド人:アホウ

ウェールズ人:羊を溺愛。女生徒の性愛を忘れるほど。

北部人(ランカシャーとヨークシャー):全員ハトを飼っていて、工場か炭鉱で働いている。

デヴォン・コーンウェル・サマセット:リンゴ酒の飲みすぎでアホになった

スコーサー(リヴァプール人):全員ドロボー

エセックス:淫乱、バカ、巨乳と三拍子そろった美女の産地

サセックス:ブライトンは60年代、モッズの聖地として名を馳せたけど、今はホモ天国。

いやーどれも強烈ですね。しかも種類も豊富で、目がチカチカしてしまいます。
なんで、こんなに偏見が多いんでしょう?
思うに、それはイギリスがそもそもの最初から多人種が入り混じってきた歴史があるからなのではないでしょうか。

まず、ブリテン島にはケルト人がいました。

そこがローマ帝国に支配された。ケルト人は、スコットランド、ウェールズ、コーンウォールという限られた地域に追いやられた。

ローマの力が弱まるとゲルマン系のアングロ、サクソン、ジュードという部族たち(通称、アングロ・サクソン)がやってきた。ローマ人は撤退。

1066年には、ノーマン・コンクエストでフランス系のノルマン人がやってきた。

その後数百年の歴史で、ゲルマン系とフランス系が融和していった。
そしてイングランド人が完成。

イングランドは1707年に連合法でスコットランドとウェールズを併合。

こんな風にいくつもの民族が闘ってきたのです。融和が図られたとはいえ、その間に対抗意識が芽生えるのは当然だと思うのです。

とくにスコットランド。

ウェールズはもともとイングランドの植民地でしたが、スコットランドは映画『ブレイブハート』でも題材になったとおり、ウィリアム・ウォレスの活躍により14世紀には独立を果たしています。しかし、国策の失敗で対外に借金を作り、その肩代わりをするという条件でイングランドに併合されました。

しかし、女王メアリー、ジャコバイトの乱など、独立時代が忘れられず、スコットランドは幾度も反乱を画策してきました。
いまでも、その反骨精神は生きています。
独自の国会を持とうという議論は絶えませんし、独自の紙幣を発行し、「イングリッシュブレックファスト」を「スコティッシュブレックファスト」と言わないとムッとされます。
多民族文化が生み出した強い独立心。

それが偏見を生み出しているんでしょう。

イギリスの正式名称はUnited Kingdom and Northern Ireland
あくまでも、併合されたわけであって、存在は主張する、そんな各地域の矜持を感じますね

なお、お隣のアイルランドも長年植民地だった間、幾度も反乱を起こし、英雄マイケル・コリンズの活躍もって、1920年代にはついに独立を果たしています(北部以外はという条件付きではありましたが)。
その辺はアイルランド出身の監督・脚本家ニール・ジョーダンが監督し、アイルランド出身のリーアム・ニーソンが主演した『マイケル・コリンズ』で描かれているので、是非ご覧になってみてください。


米アカデミー、作品・監督賞受賞作
ヴェネチア国際映画祭グランプリ、主演男優賞、受賞


theme : 雑学・情報
genre : 学問・文化・芸術

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プロフィール

神谷正倫

Author:神谷正倫
大学院生、兼、物書き、兼、アマチュア俳優、演出家です。
もっぱら、文学、芸術、音楽、雑学系のことを書いていますが、主宰劇団の「劇団 木曜洋画劇場」の宣伝の場も兼ねています。

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